店舗が実権を握っている珍しい体系
ほとんどの小売業は中央が実権を握っています。いわば中央集権的なかたちで営業を行っているのが小売業者です。しかし大原孝治さんがつくったドン・キホーテは違います。店舗に実権が集約されており、だからこそ営業利益が高いのがこのお店の秘密になっています。
あまりよく知られていないことですが、地域によってよく売れる商品が変わってきます。
たとえば繁華街になると、実用品から夜の生活に関するものなどさまざまなものが求められる店舗になります。このような地域性を店舗が知っているからこそ、営業利益に結びつけることができるようになっており、これこそドン・キホーテの強みです。
しかし良いことばかりではありません。店舗の責任者である店長らの戦略が失敗した場合、その尻拭いは他の誰でもなく自分達でしなければいけません。本部も手伝ってくれるわけではなく、大幅にディスカウントして販売するのか、それとも他の店舗に需要があれば転売するようなかたちをとっています。だからこそ店舗責任者も本気になるシステムです。
自分達の地域のことは自分達だから知っているので、このかたちを実用化したのがドン・キホーテになっています。お客さんのことを誰よりも知り、そして自分達で責任を持って販売をするからこそ、営業利益に結びついています。大原孝治さんだけの戦略ではありませんが、ドン・キホーテが持っている遺伝子はいまもなお引き継がれているのがこの小売業の特徴です。